

今月のレストランは、ランチもディナーも春色に染まっている。例えば、和食「みやま」では、ランチにピンク色の桜そば、ディナーに桜鯛寿司など、もう早桜が満開だ。さらに、料理だけではなく器や盛り付けなど細部にわたり春を先取りした心遣いが感じられる。広東料理「南園」も負けてはいない。春野菜を中国風天ぷらにしたり、デザートによもぎ団子と桜風味のシロップを使うなど、目も舌も存分に楽しませてくれる。


一方「アンブローシア」ではランチの前菜に、サヨリのマリネが桜の香りのジュレ仕立てで登場。お皿に散りばめられているのは、まさに桜の花だ。スープには桜海老、魚料理には桜鱒のポワレなど、まるでおいしさが開花したかのようなコースに仕立てられている。またディナーでは、春野菜がふんだんに使われ、前菜では早くも日高産のアスパラガスが爽やかな色を添える。メインの仔牛のブランケットには、空豆、ふきのとう、そしてビーツで色づけし、まるで桜の花びらのような百合根が付け合わせに並んでいる。それはまるで、一皿ごとに春が近づいてくるかのような楽しさだ。
「3月の札幌はまだまだ雪が多い。だからこそ『春』や『桜』をテーマに、少しでも明るく、ウキウキした気持ちになれるようなコースを考えました」と話してくれたのは、「アンブローシア」料理長に就任して8カ月が過ぎた成田公洋。当初は、目の前のことで精一杯と言っていたが、最近は多少ゆとりが持てるようになってきたそうだ。「いろいろな本や雑誌を見て、もう一度勉強し直したことや、新しく発見したこともたくさんあります。また、テレビのグルメ番組なども結構参考になることが多いですね。3月のメニューを考える時も、そういった情報を踏まえ、そして、特に女性に喜んでもらえるような内容を意識しました」と語る成田。そして、「春になれば、もっといろいろな食材が出回ります。それらを、どうすればもっとおいしくなるか、もっと喜んでもらえるか、いつも考えているんですよ」とも。3月のプラザのレストランは、そんな研究熱心な料理長が一足先にテーブルに春を運んできてくれる。なごり雪でも眺めながら、プラザのおいしい桜前線に舌鼓を打つ…というのは、いかがだろう。